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       howl
a last flower




ようやく
たどり着いたね
たぶん
ここが終点
これより先に道はなく
疲れた脚を休めるがいい

薄明な花が
薫っている
ささやきながら
繁っている
何も無いこの世界を
言祝ぎながら
嘲りながら

崩れ落ちたシェルター
空をただよう鉛色の鳥
漠然と広がる白い雲
でもそれらにも微笑みかけるよ
そう
たぶん

もう私には必要ないものだから

苦しいことは
何もないはず
キレイな王国だ
産まれる前の記憶だ
懐かしいんだ

薄明な花
名前なんて知らない(構わない)
このヴァースの上で
摘み取った花の香りは
君にあげる
愛の形に
似てる


埋もれて





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