音のある断片
いちばん遠い場所
スプートニク 君に くちづけした夏は
隕石のような スピードで燃え尽きた
スレイプニル まるで おとぎ話みたいな
忘れられない かなしい話だね
グレイプジュース 君は 細い指先で
紙コップ海に 思い切り投げ捨てた
グレイトフル それは 悪いことだって
わかってるのに すごくカッコよくて
曇った夜空 逃げこんだ二人は
傷だらけの星座 組み立てながら
湿った砂や 波音にまぎれて
すこし触れた指が あつくなるよ 止まらないよ
いちばん遠い場所へ
夜空よりも遠くへ 行きたいと言う君を
いちばん近い場所で
情けないね 無言で うなずいてることしか
できなかった
スプートニク 軌道 外れた衛星は
引力のなか 永遠にさまようだけ
スプートニク まるで すれ違う恋の
残す名残りに 悲しいほど似てる
理解ったはずの さびしさの理由も
思ったほど 僕は 知らなかったね
進んだ道は 二股にわかれて
すこし考えてから 君は別の道を選んだ
いちばん遠い場所は
夜空にある無数の 星とかじゃなかったよ
いちばん遠い場所は
そういつでも近くで みつめあった互いの
ココロだった
いちばん遠い場所へ
夜空よりも遠くへ 消えたいと言う君の
涙はぬぐえたけど
流さぬための手段を 見つけること だけが
できなかった
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