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       日本文学選集
砂の女

sandy 君の指先をこぼれる
heavenly 感情に触れて
sandy まるで夕暮れのようだと
分かったフリをして

夜の広すぎる沙漠
僕らを限りなく塞ぐ
それは言い訳をなくした
宛てのない明日

遠いね まだ遠いね
届きそうもない
愛していたわけじゃなく
諦めてたわけじゃない
だって

sandy ちょっとためらってつぶやく
suddenly くちびるの動き
sandy 意味を理解する前に
気づいた夏の空

やがて差しかかる信号
青まで立ち止まる僕と
赤に待ちきれず走った
肩越しのさよなら

速いね ああ速いね
追いつかないまま
あとを追うわけじゃなく
諦めてたわけもない
待って

君の見る先にあるものは何
教えてよと かすかに笑う

遠いね まだ遠いね
届きそうもない
愛していたわけじゃなく
諦めてたわけじゃない
だって



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