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       世界文学大系
狭き門

両目からこぼれる1万粒の雫は
くだらない夕陽をきれいに彩った
これ以上いうことはないからバイバイ
永遠に混ざりあわない
油&水

微笑んだってわかるんだ
笑顔が少しずつくずれて行く
翳って行く
その流れをとめることは
河の氾濫を防ぐのより困難だ

そうやって
君は改札口から走って行った
ああ切符
かえなかった僕は見送っていた
なんとも狭い門だ
いやはやひどいもんだ
トイレの個室に駆け込んだ
30分泣いた
ヒッピーが見ていた フューチャー

西海岸 はるかなサンフランシスコの南に
みみっちい別荘を建てて住むのさ
ギターとかピアノとそこでずっと安穏
へたくそな演奏だって
顧みず。

ふれあったって失くすんだ
言葉を重ねるだけつらくなる
くさって行く
その下落をとめることは
株価操作することより複雑だ

ああ、なんだ
これは最終回だと いま気がついた
最終回
次回なんて 二度とやってこないんだ
何度もさがしたんだ
いやはやつらいもんだ
トイレの個室に駆け込んだ
30分泣いた
本当は4〜5分 だったか
どっちでもいいか
ちらつくのは 君の面影
街あるいても 部屋とじこもっても
消えないねえ


ウソばっかり
ウソばっかり
ウソばっかり
ウソばっかり
ウソばっかり
ウソばっかり
ウソばっかりついて


力を尽くし
狭き門から入れ

何処かへ



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