音のない一葉
リバース
モーニングコールで目ざめて
曖昧な罪を重ねた
ドアを開けて出て行く背中
一度も振り返らず消えた
何年たっていたんだろう 声も忘れて
夕べの温もりだけがこの胸を焦がしている
逢えなかった季節を埋め尽くすように
二人 壊しあう
朝が来れば二人はそれぞれに帰る
たった一度のリバース 最後の
「この傷はね…」とささやく
キミを右腕に添えて
昔のように上手く壊せない
後ろめたさだけちらついて
くちびるをおしつけて何度も確かめる
キミは目を逸らして窓の外 雨空が映る
どんなときも抱きあえる未来を夢みて
暮らしてた二人
淋しさとか弱さや欲望を抱えて
飽きるまで求めて 消えた
夏の朝はクーラーの音に
震えた身体を抱き寄せた
愛してたことさえ 夢みたいだね
割り切った心なら要らないと思っていた
抱きしめればあの日にすぐに戻れると
ぼんやり信じてた
もう戻れない 戻らない 戻しちゃいけない
最高の温もりは 消えて
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