BACK
       s r
幸福な王子

何かに怯えたような目で辺りを見渡せば
折衷案のパレードが「アレもダメ、コレもダメ」と嘆く
まだまだ甘過ぎの社会に適応できぬ人
したり顔で笑われても言い返す術などわからない

「まだ早い」を繰り返す 振り向いてみれば後悔

君が欲しい あぁ その魅惑的な全てが
見つめているだけでも何かが破裂しそうだ

惨めに素顔をくねらせて未熟がプライド、と
泥を噛んだ味を忘れ 相変わらずの狭い構築
自ら否定したロマンス 今更 寂しくて
卑屈に人を恨んでも その裏で自分を棚に上げ

人嫌いが ぶり返す はにかんでいれば満足

君が欲しい あぁ その神秘的な全てが
見つめているだけでも何かが破裂しそうだ
暗い少年 そう 自分の心を過信し
失くしても気づかない 独りで宙に舞っている

ただ醜い蟇蛙 鏡の前で跳ね返る

君が欲しい あぁ その魅惑的な全てが
見つめているだけでも何かが破裂しそうだ
夢の中で さぁ 愉快で素敵なダンスを
涙を流しながら二人の愛のダンスを

君が踊る あぁ なんて美しい肢体だ
僕が揺れる あぁ なんて素晴らしい世界だ



NEXT
- CLOSE -